1日目の全体会の講演は「古いまち並みは古い友達~谷根千27年の経験から~」との演題でノンフィクション作家の森まゆみさん。期待どおりの良い話だった。
自分が生まれ育った町が都市化され古い建物が無くなり歴史が消えていく姿に、「せめて記録だけでも残そう。もしかして残したいという持ち主が出てくるかも・・・」と期待しながら友人と「谷中・根津・千駄木」という地域雑誌を発刊した。
地域の長老から聞き書きや、町の歴史を掘り起こし「古いものを残す」運動をしてきた。「保存運動家は内需拡大に寄与しない連中だ」といわれたが、「懐かしい」という思いは人間だけが持つ文化的な感情だ。
27年間発行続けた地域雑誌は68号で廃刊した。未だにバックナンバー欲しいと国内外から問い合わせがある。
盛岡の桜山神社前の商店街問題にも触れ「商店街はとても良い。壊したら終わりだ。残すべきだ」と言及した。
2日目の分科会は8分科会でそれぞれのテーマで討論された。第6分科会の「歴史遺産を残す」に参加。
織物が盛んだった桐生市には、のこぎり工場が残っており、それを残すだけでなく積極的に活用している経験が報告されとても勉強になった。かねがね行ってみたいと思っていたが、絶対行くぞー。
3日目の全体会は午前中で終わり、地元の皆さんが全国からの参加者を歓迎して町家を開放しているというので足を延ばした。
明治の建築物で市指定建造物の旧川魚料亭「かわてつ」さんでうなぎ御膳を食べ、2階の広間からは紅葉した美しいお庭が見られた。
昭和初期の薬屋さん「鎌田薬局」では、お茶席を設けていた。永泉寺の御飯台の帰りだという通りがかりの93歳の元気なおばあさんと一緒においしいお菓子で抹茶をいただいた。
千手院の四季桜が満開に近かった。しばらく楽しめそう・・・