歴史てくてく⑰紺屋町番屋の思い出

紺屋町番屋の思い出
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与の字橋際に建つ紺屋町番屋は、一八九一年消防よ組番屋として建てられ一九一三年改築したものが現在の建物だ。
 当時流行した木造洋風で望楼部分は六角形になっおりなんともおしゃれな大正建築だ。
 二十年程前になるだろうか?外壁の塗装が剥げて、市は一階を残し望楼部分だけ塗り替えた。その理由は「保存建造物になっているのは望楼部分だけ、一階は消防団管理」と説明した。
 行政というのは庶民が思いつかない面白い考え方をするものだと笑ってしまった。
 ところがその考え方は延々と続いた。
 〇五年第五分団屯所が近所へ新築。紺屋町番屋は保存が決まったが「市の所有にならなければ手は出せない」と傷んだ建物が放置されてきた。
 ついに市長に「ぼろぼろの番屋に観光客がカメラを向けている。市民として恥ずかしい」と直訴した。すぐに壊れた窓ガラスは直ったがそれまでだった。
 紺屋町番屋の地権者は当初十一人だったものが代替わりで六十三人に増えていた。地元の方々が市へ寄贈、保存活用を求めて努力したが、一人の反対にあい所有権移転登記訴訟を起こし、このたび最高裁で勝訴した。  地元では八月をめどに市へ寄贈予定だという。すっかり傷んでしまっている建物を変な改築などせず市民感覚を取り入れた建物にし保存してほしいと願う。
(浦川陽子)
by yoko1939 | 2015-05-18 20:29 | 歴史てくてく | Comments(0)