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盛岡のまちと暮らし、岩手の自然を楽しむレポート


by yoko1939
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歴史てくてく⑩生きている江戸時代の盛岡絵暦


髪結いをしていた祖母は文盲だった。毎年「めくら暦」を売人から買っていた。ご飯粒で台所の板壁に張り付けるのが孫の私の役目で、毎年重ねて張り厚くなっていた。この面白い絵が暦だという不思議を解決しないで過ごしてきた。

 現存する最古の盛岡暦は天保十三(1842)年、作者は御印判師舞田屋理作で、版木印刷、売り暦だったという。
 さかのぼって天明三(1783)年現八幡平市の田山の田山暦が現存している。田山暦の影響受け盛岡暦が出来たという。

 「めくら」が差別用語だとの指摘で盛岡絵暦と配慮されているが、文盲の人たちのための絵文字は、祖母のように暮らしの中で欠かせないものだったろう。 途中途切れた時期もありながらも現在まで生き続けている貴重な民俗資料なのだ。戦後の苦難の時代南仙北三丁目の郷土史研究家の故佐藤勝郎さんも発行に尽力されている。
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 今年の南部めくら暦を解読すると、一段目の「塀と井形を背にしている男」で平成、重箱2つとサイコロ6個で二六年。二段目の歳徳神は今年の大吉の方向を示すもので、門の前に虎とウサギの絵、寅卯の間は東北東となる。と読めれば面白い!
 この一枚で自然と向き合って暮らしてきた人々に思いを馳せてしまった。(浦川陽子)
by yoko1939 | 2014-04-06 21:53 | 歴史てくてく | Comments(0)