盛久ギャラリーで開かれている「思い出の中の中井汲泉展」を見てきた。主に中井家、村田家、福田家所蔵のものだが初公開のものが7点ほどあるという。染め絵の裸婦は線だけなのに迫力がある。弥勒菩薩はなんともいえない魅力がありひきつけられる、黒だけの菩薩の色の使い方もすばらしい。中井汲泉ファンならずとも必見の価値あり。9月2日までという。
汲泉は、京都生まれ盛岡中学の美術教師として昭和4年から18年まで在職。31年まで盛岡で活躍し、岩手の美術の発展に尽くし、特に舟越保武、松本俊介、福田隆、海野経、澤田哲郎、鈴木貫爾、吉田清志など教え子から巨匠を輩出。
幸いギャラリー及川昭伍館主さんとお話できた。盛岡中学の美術部は絵画部と玩具部があって汲泉は生徒に自分の好きなように画かせ「自分の気持ちで描くよう」指導したといいます。
汲泉展を開くといったら多くの方が協力してくれたが、法泉寺の陶器の観音像は和尚さんの仏間で毎日拝まれているものでめったに見られるものではないという。
ついでにNHK朝ドラの加賀美旅館の玄関の額について聞いてみた。「あれは盛岡二校の書道の先生がドラマのために書いたもので同じものを吉田先生が飾ってくれと持ってこられた」というのが真相だった。