祖母の命日.お墓参りで久昌寺へ・・・
6人兄弟の上に5人の兄を持つ末っ子。なのに長澤家をついだいわゆる婿取りだった。髪結いをして生計を立てていたせいか祖母の権威があったような気がする。岡炉の前に座ってキセルでタバコを吸っていた姿が目に浮かぶ。その前にはいつもお客さんが話し込んでいた。たしか高校生の頃まで二人の常連さんの髪を結っていた。
狭い家に、いつもお客さんがいる生活が成人になるまで続いた。
飲み食いする水は隣の湯殿山にあるつるべ井戸から汲み、洗濯や風呂の水、野菜を洗うときは共同井戸の青龍水を使っていた。水汲みは子どもの仕事で風呂水を汲むとなれば大仕事だった。せっこぎして近場のつるべ井戸から汲むと井戸がかれてしまい、よくしかられた。
かまどの一つはこはん釜、もう一つはお湯の釜がかかっており、寒い冬お湯を使って顔を洗うと「顔は水で洗うもんだ。おげや(桶屋)の父さん見ろ」と言われた。寺の下の今は千手院の駐車場になっている場所に桶屋さんがありそこの伯父さんはどんな寒い日でも毎朝青龍水にきて顔を洗っていた。そのせいか顔がつやつやで、「水で顔を洗っているからだ」と言うのが近所の伝説となっていた。「おげや」をひいて、祖母は湯を大切に使えと言うことを教えてくれた。
などと思いをめぐらし「もっと話を聞いておけばよかったナー」と考えながら墓参りした。
いつもは雪かきから始まる墓参りだが、今年は雪が無い・・・
あれー?鐘撞き堂に鐘が備え付けられていた。いつからあったかなー?